無期雇用派遣は派遣社員のために作られた制度ではありません。
派遣会社が有能な派遣社員を抱え込んで様々な派遣先で働かせるため、政治的に派遣法を強行採決された背景があるといわれています。
無期雇用派遣になれば、安泰だと思っている方、それは大きな間違いです。
派遣先も、派遣会社もちゃんと教えてくれない、無期雇用派遣の落とし穴を徹底解説します。
まずは簡単に
無期雇用派遣とは
「無期雇用派遣」は、契約の終わりを決めずに派遣社員として働くこと。
「有期雇用」の派遣社員と同様、派遣会社から企業に派遣される点は変わらないのですが、その前提として派遣会社と期間を設けない雇用契約を結んでいるというところが異なります。
おー!3年で契約切られないからずっと働けていいじゃん!って思いがちですが、
無期雇用には、通常の有期雇用よりもデメリットとなる点が実はいくつもあります。
早速見ていきましょう。
無期雇用派遣のデメリット
①契約終了も当然ある
派遣先の正社員ではない為、途中で契約を切られる可能性があります。(有期雇用とそのあたりは同じですね。)
ですので、どんなに業務や環境が気に入っていても、そこでずっとキャリアを積み重ねられる保証はありません。
②正社員にはぼぼなれない
紹介予定派遣ではないため、ゆくゆく正社員になれる可能性は薄くなります。
実際、無期雇用派遣から正社員として採用への例はそれほど多くありません。
③派遣先(仕事)を選べない
ひとつの派遣先での契約が終了してしまったら、あまり間をおかずに次の派遣先を紹介されます。
これは無期雇用派遣は待機期間中もお給料が支給されるため、派遣会社は早く次を紹介して、働き出してもらいたいからですね。
そのため、有期雇用派遣のように、あれこれ希望を出して希望に沿わないからと断り続けることはできません。
④とんでもない派遣先に行かされる可能性もある
③の理由から、なかなか派遣スタッフが定着しないような、不人気案件を紹介されることもめずらしくありません。
そのため精神的ストレスから退職者が実はとても多いのが実際のところです。
⑤働き続けないといけない
無期雇用はひとつの派遣先が終了したあとまたすぐに次の派遣先を紹介されるため、「少し間をあけてお休みして旅行に行きたい」とか「しばらくゆっくりしたい」ということができなくなります。
⑥高収入はのぞめない
時給制から月給制になるところが多いが、ほとんどの場合ボーナスも昇給も見込めません。(僅かながらの賞与が支給されるところもあるようですが)
正社員のように年々昇給していくようなことはほぼありません。
また、次の派遣先が現派遣先より時給の低いところになる可能性もあり、またそれも断りにくいのが無期雇用派遣です。
⑦派遣という立場は変わらない
無期雇用派遣となったといえど、派遣先の正社員さんたちからみれば、無期も有期も大差のない「派遣さん」に変わりありません。
派遣さんにはだいたい、代わりの利く「同じ業務をずっと」してほしいところが多いため、スキルアップにより昇給することも厳しい現状です。
⑧次の仕事が決まらないと解雇の可能性もある
待機期間中に紹介された次の仕事を断り続けると、業務放棄とみなされ解雇されることもあります。
所属している派遣会社によって、期間や退職をうながされる傾向も様々のようなので確認が重要です。