生物には雄♂と雌♀という性別がありますが、魚の中には途中で性別が変わる不思議な生態のお魚がたくさんいるの知っていますか?
知っているととても面白い、魚のトリビア。
性転換する代表的なお魚を見ていきましょう!
①クエ(垢穢・九絵):メスで生まれてオスになる
高級魚としても有名なクエ、お刺身や煮物などとても美味しいですよね
成魚は最大で体長120cm、重さ50kgを超える
体の色は淡い緑褐色で体には6本の黒っぽいシマ模様があり、頭部の横縞は口に向かって斜めに走っている。
幼魚は体色が黒く白っぽい明瞭なシマ模様がよく目立ち、成長するにつれ模様が不鮮明になり、大型個体ではほとんど模様が消失する。
肉食性で、岩礁域にすむ魚類やイカ、伊勢海老などを大きな口で丸飲みして捕食する。
生まれた瞬間はすべてメスである。
成長して産卵を終えやがてすべて、オスへと性転換される。
なので大きな個体は全てがオスなんです。
②カクレクマノミ(隠熊之実、隠隈魚):群れで一番大きなものがオスへ
鮮やかな模様から観賞用としても人気のお魚。ちなみにあのファインティング・ニモ」と似ていることからよく間違えられていますが、「ニモ」とは違います。
あの「ニモ」はクラウンアネモネフィッシュといって、カクレクマノミより黒い縁取りが多い印象のお魚です。
イソギンチャクと共生している。
イソギンチャクの触手には毒針がありますが、クマノミ類の魚はそれに耐性があるため、共生が可能です。
生まれたときは「両性生殖腺」というものを持っており、オスでもメスでもありません。
ふ化後、群れの中で1番大きい個体がメスに、2番目に大きい個体がオスに性転換し、その他は繁殖能力を持たない未成熟個体に留まる。
群れのメスが死亡するなどして不在になると、オスはメスに、1番大きい未成熟個体がオスに性転換する。
③マダイ(真鯛):成長するとオスとメスの数がほぼ半々に
とても美味しく食用とされる鯛ですね。
全長120 cmにもなる比較的大型のお魚。食用として多く流通するのは30~70 cmくらいの大きさが一般的です。
成魚は群れを作らず単独で行動します。
肉食性で、小魚、甲殻類、頭足類、貝類などの小動物を幅広く捕食し、顎と歯が頑丈なので、エビやカニの硬い殻も噛み砕いて食べてしまいます。
寿命は20~40年程度と言われています。
4歳まで「両性生殖腺」を持つ現象がみられ、2歳頃に多くがオスへと性転換するが、成長するとほぼ半数ずつのオスとメス。
台湾産のマダイでは、産卵後にメスがオスに変わるが、全部一変にオスに変わるのでなく、各年齢、別群のどれにもメスがいる。
一生オスに変わらずメスのまま過ごす「生涯メス」もいる。
コブダイ(瘤鯛・コブ鯛):ハーレムを作る大きなオス
タイと名についていますが鯛の仲間ではなくベラの仲間です。
オスは体長80cm、大きい個体は1mを超えるため、ダイバーが驚くことがあるそうです。
オスは頭に名前の由来である大きなコブがあります。
迫力満点の鋭い歯と強靭なアゴでサザエやカキ、カニなども噛み砕き、喉の奥の咽頭歯で更に砕いて中の肉を殻ごと食べてしまう。
特に大型のものでは、アゴにもコブができます。コブの中には脂肪が蓄えられている。
ハーレムを作る魚として有名で、オスは自分の縄張りを主張し、侵入してきたほかのオスを攻撃し、縄張りを守りながら複数のメスを呼び寄せる性質を持っています。
また、幼魚には手を出さない優しい?性質も。
こうして幼魚は成魚に守られ、成長し、それを学習していくともいわれています。
寿命は20歳前後とされている。
雌性先熟(しせいせんじゅく)で、大きく育つまではメスで、産卵し、群れの中で一番大きく成長した(50cmを超えてくるくらい)メスはコブが張り出してきて、オスに性転換する。
見た目があまりに違うため、かつて雌は別種の魚だとさえ思われていたそうです。
⑤チョークバスレット 日に20回も性転換
ヒメスズキ属
サンゴ礁に生息する体長8cmほどの小さなかお魚。
性転換をするというより、雌雄同体のお魚なので
パートナーとペアを組んで一日に性的役割を何回も交代して交尾をし、何か月もの間、繁殖活動を繰り返します。
繁殖期に入ると、チョークバスはパートナーを探します。
パートナーが見つかると、パートナーが生んだ卵に精子をかけるわけです。そうしたら今度は、自分が卵を産んで、パートナーに精子をかけてもらうという男女交代制をとる不思議なお魚です。
いかがでしたか?
種を保存するために、性転換したり、性転換を繰り返していく術を身に着けたお魚たちの神秘、知っているとちょっとした話題に盛り上がるかもしれません。
お魚屋さんや水族館などでお魚を見るときにちょっと意識してみると楽しいですね。